三章

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「とにかく、早急に対策を……」 思春の提案に雪蓮が頷こうとする瞬間、広間の扉が開く。 「誰!?」 小蓮の声に全員が扉の方を向くと、そこにはチャイナドレスを改造したような服を着て白くて長い髪の女性が立っている。 「フフフ………さすが呉の兵士。中々しぶといわね……」 声からして雪蓮と同じくらいの年で、大人の雰囲気を出している。 そして右手には細剣を持っていた。 「貴様、ここが呉の屋敷であることをわかっているのか!?」 思春と明命が得物を出して雪蓮と蓮華、小蓮を庇うように立つ。 「えぇ、わかってますよ」 「目的はなに?」 庇う思春の前を雪蓮が横を通りすぎる。 「あなたは?」 「孫伯府、呉の王よ。あなたは何者?目的は何?」 「私は仙人、女禍。私の目的は…………あなた達の足止め。余計なことをしないように、倒してしまうのもいいかもしれないわね」 「そう………」 雪蓮は腰にある『南海覇王』を抜く。 「悪いけど、死んじゃっても文句は無しよ」 「ウフフ……、さすが呉の王。いい殺気を放つわ」 「雪蓮姉さま、私たちも戦います」 隣には蓮華、思春、祭、明命、小蓮が自分の得物を出して構える。
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