一章

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「ふあぁ~……」 蜀では一刀が政務を終わらせて近くの川に来ていた。 「ん~。やっぱり気分転換にはここが一番だな」 とりあえず川の側に座って目を瞑り、自然を全身に受けて癒される。 「…………っ!」 目を開けてふと隣を見たら一刀より1つか2つ年上の男が釣りをしていた。 (い、いつの間に……!?来た時にはいなかったよな……) 「あんた」 「ふぇ?」 不意に話しかけられたので情けない声を出してしまったことに心の底から恥ずかしかった一刀。 「あんた、天の御遣い?」 「あぁ、うん。まぁ一応ね……」 「ふーん………じゃあ天の世界から来たんだ」 「そうだな。こっちではそう言われてる」 「ふーん……」 青年はあまり興味無さそうに返事をしながら釣りをする。 「………ここってよく釣れるの?」 くいっ 顎で近くに置いてある竹の篭を見ろという感じで示す。 中を見るとそこには何十匹もの釣り上げられた魚が入っていた。 「大漁じゃん!え、他のところでも釣ったの?」 「全部ここで釣った。今日は運がいい」 ここで釣った? おかしい。さっき話していた間も魚を釣った仕草なんて一度もなかったよな。
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