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バシィッ!
もう一度音が響いて、今度は一刀を捕まえていた盗賊が倒れた。
「誰だお前!?」
そして一刀の前に立っているのは釣りをしていた青年。
「お前……」
「下がってろ」
「ちょ、ちょっと……」
「これ持っててくれ」
青年は一刀に魚の入った篭を渡してから盗賊に近づいていく。
「ちっ、護衛がいたか……」
明らかに動揺し始めたリーダー。
「ど、どうするんですか!?」
「ビビることはねぇ!相手は1人だ!数で勝っているこちらが有利!それに、奴の武器は釣竿だ!」
リーダーの言うとおり、青年が肩に担いでいるのは釣竿。
「囲め!」
盗賊たちが青年の周りを囲み、逃げ場を作らない。
「………げた」
「あ?」
「お前らがうるさいから、魚が逃げた」
「知るかよ!」
後ろから剣を振り上げて1人の盗賊が襲いかかるが、青年は見向きもせずに避けた。
「!?」
その行動に一刀を含め、全員が驚く。
「お、おい!何してる!?さっさとやっちまえ!」
今度は盗賊全員が襲いかかるが、青年は全て攻撃をかわした。
死角からきた攻撃も、弓矢による射撃も全て避けてみせたのだ。
「……スゲェ…」
一刀はそれしか言えなかった。
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