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「何がわかんねぇだ!!さっさと起きろ!」 どん!と地面が揺れたのと同時に うるさいくらいの大声が 上から降りかかってきた。 「へ、うわぁあ!?」 あたしはびっくりして 飛び起きる。 「………あれ…」 ………。 なにこれ……。 目覚めて最初に思ったのは これだった。 あたしは、また見知らぬ 部屋の真ん中にいて、 そのあたしを またまた知らない男たちが ぐるりと取り囲んでいた。 美佳も香織も隼人もいない。 ……もちろん、慎太郎も。 やっぱりさっきのは 夢だったのか…。 あたしは重い溜め息をつく。 そんなあたしを 怖い顔をして あたしをじっと見ている 目の前の男。 「…てめぇ、名はなんて言う」 その人が怖い顔のまま ふいに質問してきた。 「…え、名前…ですか??」 「ああ」 「…綾瀬捺佳ですけど…」 どこの誰かもわからない人に おずおず名を名乗るあたし。 てゆ―か、 ほんとここどこ?? それになんであたし 囲まれてるの?? しかも皆着物なんて 着ちゃって……。 あたし、倒れてから どうなったんだろう… そもそもあれは現実?? あたしははっとして 首もとに手をやる。 「いっ……」 ……傷はあった。 生傷を勢いで 叩くように 触ってしまったため、 ズキンと痛んだ。 ……あれは、夢じゃない。 「お前…何やってんだ??」 一人で何やら考え込んだと 思ったら急に自分で 傷口を触って痛がっている。 …そんなあたしに訝しげな 視線を送る怖い人。 「あ、いえ……。それより、ここどこなんですか??」 とりあえず今、一番疑問に 思ってることを目の前の人に 聞いてみる。 すると、思いがけない返事が 返ってきた。 「ここは新撰組屯所だ」 「………。 …しんせんぐみ??」 新撰組って… 新撰組って… あれだよね?? 確か、今回の日本史の 定期テスト範囲に あったよね………。  
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