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「…大人しく、か…」 ひとり取り残された あたしは部屋の真ん中で ごろんと大の字に 寝転がる。 ああ………。 あたしは一体 どうなってしまうのやら… あのヤバイ感じの 殺人現場を見られたから 口封じのために 殺されるのかも……。 でも、あれは 不可抗力だよ…。 いつのまにか あそこにいたんだもん… だいたい、 ほんとに冗談抜きで ここどこなわけ?? そろそろ帰らないと お母さんに 怒られちゃうよ…… 「…早く家に帰りたい……」 「無理だね」 「そんなぁ…… って、えぇ!!!??」 がばっと上半身を 起こしてまわりを見渡す。 つい流しそうになったけど 今、誰かとなんか 会話しちゃってたよねあたし。 「あははっ、キミ面白いねぇ」 いつからいたのか、 部屋の入り口に ひとりの男が 寄りかかっていた。 「………あっ!」 あたしはそいつを見て 目を見開く。 「こ、この間の………!!」 この間のイケメンだけど 人殺しかもしれない あたしの首に傷つけた人!! 「やあ、傷はどお??」 その人はこの間みたいな 怖さは全くなくて、 まるで友達のように 話しかけてくる。 「…ちょっと痛いですけど大丈夫です…」 「ふぅん、なら良かった」 ……良かったのか?? 「キミ、名前は??」 「綾瀬捺佳です…」 「捺佳か…面白い名前だね」 ……面白いのか?? 「あ、ちなみに僕は沖田総司ね」 「あ、はい……」 ………え?? 沖田総司??? 「え??あの、沖田総司って言いました??」 「うん」 あっさり肯定する 自称沖田総司。  
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