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「………………。」
「…ちょっと」
暗い顔で
黙り込んでしまった
あたしに沖田総司は
怪訝そうな顔で
話しかけてくるが、
あたしの耳には届かない。
もうダメだ……
あたし殺されるんだ…
平成から来ましたなんて
きっと信じてもらえないし…
長州のこと吐けって
言われても知らないし…
役立たずって言われて
斬られるんだ………。
「……っう…ぐずっ…」
殺されるって考えてたら、
あたしはいつの間にか
泣いていた。
「え…」
そんなあたしを前に、
沖田総司はギョッとする。
「…な、何泣いてんの??」
「…だ、だって…っあだじのこと…殺ずんでしょお??」
嗚咽を堪えながらも、
質問にやっと答える。
「………。」
沖田総司は何も言わず
あたしの顔をじっと
見つめる。
…否定しないってことは…
やっぱり………
また奥から涙が
込み上げそうになった
その時。。。
「………はっ…ひどい顔」
あたしの涙と鼻水で
ぐちゃぐちゃの顔を見て
奴は嘲笑を浮かべながら
吐き捨てるように言った。
「……………は……」
目から新たな涙が
溢れる一秒前で
涙は一瞬で引っ込んだ。
………こいつ……
今何て言った…??
ひどい顔……??
女の子が弱々しく、
健気に涙しているのに、
ひどい顔って言った!!??
「……弱々しく、健気??さっきのキミの様子とはかけ離れすぎて笑えるを通り越してもはや何の感情も生まれないんだけど」
沖田総司は哀れむような
目であたしを見る。
「荒々しく、無様に、の間違いじゃない??」
「…………。」
なんか…
こいつに殺されるって思ったら
だんだんムカついてきた…
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