3/12
前へ
/166ページ
次へ
――――6月。 じめじめした空気。 蒸している気温。 この時期が一番嫌いだ… なんか色々と やる気失せるじゃん?? …そんななか、 定期テストを 一週間前に控えた 高校生、5人組が、 学校からの帰り道を のんびり歩いていた。 あたしは、 その中のひとり、 綾瀬 捺佳。 とある高校の2年生。 本来なら、 学校の後は部活なんだけど 今はテスト期間ということで、 部活停止。 だからまだ4時なのに 下校時間だと言って 先生に学校から 追い出されたのだ。 …どうせ早く帰ったところで 家庭学習なんて しないのにな…………。 「はぁ…」 思わずため息が出る。 「やめてよ―ため息ついてると幸せ逃げるよ??」 あたしの隣にいた 美佳(ミカ)が軽くたしなめる。 「だって…「部活ない学校なんて、来てる意味がないよ…ってところでしょ」………。」 あたしの言いたいことを 代弁する声。 「当たってる??」 いたずらっぽく笑う 先ほどの声の主、 香織(カオリ)。 「わかるぜ、その気持ち!!俺たちは部活しに学校行ってるんだよな!!な!」 なんかあたしに 共感を求めてるのが 隼人(ハヤト)。 「………。ふあぁ…」そんなことは どうでも良さそうに 呑気にあくびしてるのが 慎太郎(シンタロウ)。 この4人は あたしがいつも一緒に いるメンバー。 いつめんってやつ?? 「ほんと、なんか楽しいことないかなぁ……」 香織が言ったように、 部活がない学校なんて 部活大好きなあたしにすれば 苦痛以外の何物でもない。 しかもこれから テストなんて……。 萎える……。 気晴らしになんか ぱぁっとなんかしたい気分。  
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!

159人が本棚に入れています
本棚に追加