渇き

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もう何千年になるのだろうか… 歳を数えるのは3桁の頃に止めてしまった為ハッキリとは覚えていない。 長い人生、時々それなりにパートナーのような者が居た事もあったが皆年老いて俺を一人残し逝ってしまった。 その中には本当に心から愛した者も居たが、いつの間にか歳を数えるのを止めたのと同じように本気で愛するのを止めてしまい、その内俺の存在は忘れ去られ今ではアニメや漫画の中にすら登場する事すら無くなり自然と淘汰されて… その頃にはもはや、寂しいとすら感じなくなっていた。 ただひたすら感じる事を放棄して時々人間と同じ格好をして町に出て行き若い女の血を頂き飢えを満たし、そうして毎日をただ空虚に過ごした。 あれ程熱く愛した人間は、もはやただの餌へと成り下がっていた…
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