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次は俺についてを話した。
先ずは名前を名乗り生まれた日付と年代を話せば、あまりに何世紀も前過ぎて驚いた表情をされたが、それも無理は無い。
見た目では俺の歳は20代半ばなのだから。
バンパイアの成長は皆大体その頃の年齢で止まるのである。
その後ある程度話が進めばやがて生まれてから今までの話になり、幼少期の話や恋や楽しい思い出や悲しい思い出、それら全てを引っくるめ生きてきて最終的にここに至るまでの自分の経緯を話し、銀時は俺の話に時々頷いたりし黙って静かに聞いていた。
俺の話が済む頃になれば既に時刻は朝方で、俺は上質な血も飲めたし数日寝なくても全く支障は無いが、夜に睡眠を取らなければならない人間である銀時には悪い事をしたと思い銀時を見れば、貧血も相まって顔色が悪い。
俺は人間を傷付けるのは本意で無い為慌てて銀時を抱き上げれば些か驚いた表情をされたが、寝室に運び込みベッドに寝かせてやればホッとした表情に変わり直ぐに寝てしまい、これは将来大物になるな…と一人ごちる。
さっき出会ったばかりの男が自分に害が無いかどうか見極め更には環境が変わろうが全く動じず寝れるなど神経質な俺からすれば有り得ない話で、見た目に沿わずこの少年は中々に強かな所があると見受け、色々な意味でこれからが楽しみになった。
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