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「そうだ、トータ……くん。映画代を誕生日プレゼントにしてよ!」
「えっ!?」
「欲しい物とか、正直浮かばなくてさ。これなら学割あってもそこそこの値段するし、駄目かな?」
「うーん……ナツキちゃんが、それで良いなら……」
渋々って感じだけど了承を得られたので、購入はトータに任せた。待ってる間に、折角だからパンフレットやグッズも買おうかなーなんて眺めていたらいつの間にか戻って来たトータが。
「それも俺が買う!」
と言い始めたので、流石にそれは悪いと思って自分で買うことをアピールしたけど、頑なに『ナツキちゃんのお祝いだから!!』を強調して譲らないので、仕方なくこっちが折れた。
あまり高額にならないよう、けれど極端に遠慮するとまた何か言いそうなのでパンフレットとバスケットボールがモチーフのキーホルダーにした。
「ごめん。それ俺も良いなと思ってたから、自分の分も買うね!お揃いにしたいとか、そう言うのじゃないから!!」
何故かそんな言い訳をしながら、レジに向かうトータを見送る。そして時間短縮にと思い、親切心で二人分の飲み物とポップコーンを買って待っていたら、今度はそれの代金を払う払わないでトータと言い争うことになる。
何だよもう、ホントコイツ面倒くせーんだけど。新たに、嫌な親友の一面を知ってしまったのだった。
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