中学1年 ‐May‐

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…そう、また感傷に浸っているところに、ヤツはやってくる。 「爽歌、お前部活なんにした?」 戸部君が思い出したように言う。 「多分写真部」 「そっか…」 何故か彼が寂しげな顔をするので、 「なんで?」 と聞いてみる。 「…いや、どうせ何もやる気なさそうだし」 何もやる気なさそう、とは失礼な。 「一緒に軽音に入らないかな、って」 「軽音?」 「この前さ、ギターやってみたいって言ってたから」 ああ、なるほど。 戸部君が続ける。 「俺、ドラムやってんだわ。だから、一緒にやるヤツ探してて。爽歌、ギター似合うんじゃないかな」 うっ… そんな仔犬のような目で見るなぁぁぁ…。 あ、そうだ。 「それってさあ、文化祭の時とかにライヴとかするんでしょ」 「うん」 「軽音には入らないけど、練習するし、文化祭の時呼んでよ。あれってエントリー制だし」 その方が、なんか楽しそう。 「…分かった。爽歌がそうしたいなら、そうしよう。ま、俺は趣味でやってるだけだし、軽音入ったら気楽にできなくなったりするかもしんねぇし」 「いや、別に戸部君が勝手に入ろうが関係ないけど?私は入らないって言っただけだし」 「……ホントは……」 「ん?なんか言った、戸部君?」 「…いや、何でもない。あ、そう言えば写真部に入るって言ったっけ」 なんだなんだ急に? 「俺も入るわ」 「え?戸部君写真とか撮る人だった?」 なんか、いかにも興味なさそうなのにww 笑い転げる私を見ながら、 「…今、撮りたくなった」 戸部君が何か言った。
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