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トイレの鏡とにらめっこしながら、少々崩れたお下げを結い直す。
いったい、なんなんだ。
人のこと笑いやがって。
ただ、驚き過ぎただけじゃん。
私は驚いたんだ。
目の前に男子の顔があったことに。
男子と話したことなんて、今まで生きてきた中で何回もなかった。きっと片手の手のひらで足りるくらい。
目の前にあった、さっきの男子を思い出す。
切れ長な瞳だった…気がする。
落ち着きのある、低すぎない声…だった気がする。
私、どんだけ記憶があやふや(笑)?
めっちゃイケメン、という訳でもなく。
不細工という訳でもなく。
いたって、普通の窓際で本を読んでるような、地味男子かな?
あ、人のこと言えないや。自分も地味女子じゃないか。
だけど、少し感謝している。
今の一件で、緊張で強ばっていた私の心は、
少し温かい感情で包まれたから。
ところで誰だったんだろう??
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