垂れ桜が咲き誇る頃に

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街の中に戻った私に待っていたのは、町を見回っているという浅葱色の羽織をきた新選組の人達だった その人達はどうやら町に揉め事や事件がないかを毎日見回っているらしい なんとなく怖いイメージを抱かす彼らを嫌う人が多いようだ そんな情報を掴んだ私は思いきって先頭を歩く赤い髪をした人の前に立った 「あ、あの‥!ちょっと訊ねたいことがあるんですけどいいですか‥っ?」 その人の正面に立っている私はその怖さに震えながらも声を掛けた 「俺らにビビりながら声を掛けてくるたあ…変わったヤツがいたもんだな」 「き、聞きたいことが有るんです!あなた達はこの町を見回っているんでしょう‥?」 「そうだな。その割にゃあ声、震えてんぞ」 「そ、それはさっきの雨で身体が冷えたからです!」 本当は怖いだけだが、大きく見栄を張ってしまった 自分の言い回しに呆れながらもその人の眸をじっと見詰めた .
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