垂れ桜が咲き誇る頃に

6/10
前へ
/33ページ
次へ
「そんなに見つめられちゃあな‥」 暫しの沈黙のあと、その人は負けたと云ったように首を横に降った やった!と心の中でガッツポーズをし、頑張った(?)甲斐があったことを喜んだ 「んじゃ屯所に行こうか。後ろ着いてこいよ」 「へ…?」 「なに間抜けな声出してんだよ。話は屯所で聞いてやると言ってるんだろうが」 その人はさも当然だといった様子で私を促す 「いや、そんな所に行くようなことを訊きたいわけじゃ…」 「何ごちゃごちゃ言ってんだ?行くぞ」 言い淀む私を見兼ねたその人はぐいっと腕を掴み、歩き出した .
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加