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「どう?美味しい?」
哲弥は笑顔で聞いてみる。
「美味しい!!」
「美味しい!!」
ねねと女の子が同時に大きな声で言葉をハモらせた。
「由依ー、どこー、どこにいるのー」
向こうで女性が誰かを呼んで探している。
それを聞いたねねに瓜二つの女の子は、ソフトクリームを片手に席から離れて女性の元へ走った。
「ママー」
「由依、どこに行ってたのよ!!探したじゃないの!!」
どうやら女性は母親のようだ。
母親は由依と呼んだ女の子を叱った。
「そのソフトクリームはどうしたのよ」
「あそこのおじさんがくれたの」
そう言って、女の子は母親の問いに対して哲弥に指を差した。
母親は哲弥を見る。
哲弥も母親を見る。
そして目が合う。
その瞬間時が止まった。
母親は藤原香織であった。
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