78人が本棚に入れています
本棚に追加
「ただいまぁ」
「おかえりなさい」
パタパタ…パタン
部屋のドアを閉めて最初に鏡で見る自分のにやけた顔が笑える。
枕元に置かれた写真を見ながら呟く名前は、
「大介くん…」
一緒に笑いあって病室で撮った写真は今日も輝いていた。
遊人にもらった思い出はしまったはずなのに、今も時々この部屋で声を殺して泣いている自分がいる。
夜になると、大介くんを想って布団に入るのに、眠りにつこうとすると遊人と重なっていた頃の体の体温を思い出すの。
本当に私は勝手な女だよね。
いつまでも別れた彼を思い続けてるだなんて…自分からおしまいにしたくせに後悔残して…
♪~♪♪~
「あ、大介くんだ…もしもし」
「家着いた?」
「うん。さっき着いたよ」
冬は暗くなるのが早く、夜道を1人帰らすのは危ないと心配してくれる優しい大介くんが好きだ。
最初のコメントを投稿しよう!