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――始――
才『伊佐那海!!』
伊『(我は全てを帰すもの…闇の新鋭へ返す!!)』
六『…っ!これは…』
幸『六郎!まだ起きてはならん!!』
六『この闇は…伊佐那海が…。全てが闇にのまれる前に…手を打たねば』
幸『無理をするな!まだ体が動かぬだろう…!!』
六『主の手を煩わせるなど…小姓のなおれ…!しかし…この無くした目にあの時焼き付けた出雲の妖言を。私は…どうしても行かねばなりません…!!』
幸『六郎……。…急ぐぞ』
六『若…。ありがたく存じます…!!』
(闇の真下)
才『…伊佐那海――!!』
半『ふははは…この禍々しさ…っ素晴らしい!!…伊佐那海、彼女こそがこの世界さえも滅ぼす闇の力を持った殺戮の神ですか…!!』
伊『違う……違う!!黒い私がどんどん大きくなる…!』
半『なるほど。これはいわば制御装置…ならばこの奇魂(クシミタマ)があれば思いのまま操る事が出来る!!』
才『半蔵――っ!!…うぐぁっ…』
(才蔵、反撃しようとするも返り討ちに)
半『奇魂さえ取り返せたらっつ―魂胆が見え見えですよ……。っていうか何すかそれ??殺す気で来なきゃ敵う訳ねーでしょ?ァァっ!?』
才『……くっ!』
半『ぬるい徒党を組むもんだからこんな事になるんすよ。仲間だどうしたとお優しい関係を求めるから結局弱えーっつーね。』
才『……っ!!』
半『忍が頼るのは己のみ。いかなる時も信じられるのは己の技!己の肉体!己の感覚!それを忘れた君が、俺の相手になる??…笑えねぇんですよ』
幸『可哀想な男だのう…己しか考えられぬ者がその力を手に入れて何とする?…何がしたい』
半『この素晴らしい力を懐に入れておきながら使おうともしないヘタレよりはましな事をしますよ…己の事しか考えないからこそ純粋に使えます。…そもそも貴方には過ぎた力ですよ。上にたつものなれど非情さの欠片もない!実に優柔不断!!これは致命的です…氷がやすやすと入り込めたのも貴方の程度の低さを物語っていますよ…』
幸『ワシは懐が広いのでな』
半『あの女…こっちがでっち上げた餌にまんまとつられて…祖国復興だのと夢物語に寝言吐いてよーく働きました…。まぁ…道具としては中々優秀でしたよ』
(半蔵に斬りかかる才蔵)
才『…てめえが言うな!!……アナは…てめえの道具に成り下がった訳じゃねーや!自分の!!譲れねぇ何かの為に命をはったんだ!!…てめえには一生わかる筈がねぇ…』
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