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「それよりさ、あんたの名前が知りたいんだけど?」
今日の朝、歳三に聞くの忘れたんだよな……というより、朝起きれなくて聞く時間がなかった。
「俺は藤堂平助。北辰一刀流だ。ここでは副長助勤をしていて魁(サキガケ)先生と言われてる。だから、あんたはもっと言葉に気をつけて話せ!」
俺は名前しか聞いてないのに、ご丁寧に色々と自己紹介をした平助。分析するに平助は、負けず嫌いだな。
確か、なんとかつぅ人の御落胤。
――つまり、父親は高貴な人で、認知されない子供の事。……だったよな?
負けず嫌いと思った、もう一つの理由が……。平助が魁先生と言われてる事だ。
――御用改めの時など刀を抜く時は、必ず先陣を切ったと言われてる。
小せぇから強くみせてぇのか……。
平助を見ながら、フムフムと一人納得していた。
「あんたさぁ……。まずは礼儀だよ? 新八さんから筋が良いって聞いてるけどさ、礼儀がなってないとダメだからな!」
目線が平助より上にある俺が、ジロジロ見ているのが気に入らないのか、背伸びをしながら睨みつけてくる。その姿はまるで子犬が威嚇しているようで、思わず微笑みが漏れる。
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