プロローグ

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血を払い地面に剣を突き刺すと、男は振り返り少女に向かって真っ直ぐに手を伸ばした。 「巫女よ。どうか、俺と契約を。この世界を在るべき姿に戻す為に、貴女の能力(チカラ)を貸してほしい」 「……代償は確かに頂きました。ですが、本当に後悔はしませんね?」 男は同意を示すように力強く頷く。後悔するつもりならば、あのような所業など行いはしない。 覚悟はとうに出来ている。 「わかりました。貴方と契約致しましょう。但し、我は能力を与えるだけ。何があろうとも、貴方が何をしようとも干渉しません。良いですね?」 「ああ、分かった」 焼き尽くされた村。 惨殺された能力者。 密かに交わされた契約。 この一連の出来事は 激動の未来が始まりを告げた事を意味していた。 巫女を手中に収めた 彼の名は――――
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