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「ち…しま………てる」
僕は男の名前を呼んだ。
千島は更に驚き、僕を物珍しい目で見てきた。
「驚いたな…まさかここまで学習能力が発達しているとは。私も初めてだ」
そう言うと千島は僕を抱き上げ部屋を出た。部屋を出てから右に曲がり、更に廊下を進んでいく。カツカツと靴をならしながら千島は足早に廊下を歩いた。何か急いでいる様に感じられた。そして千島の足は止まり、入った部屋は『運動能力制御室』だった。
「恐らく君のその異常な学習能力をみれば、運動能力も等しいだろう。しかし制御する。調べれば明らかだが君の運動能力は常人の十~二十倍だ。だから常人レベルの二倍まで制御する」
千島は部屋をロックすると僕をまた重苦しい箱状機械に入れた。手足は優しく拘束され、気がつけば視界も塞がれた。そこから20秒程して僕は解放された。千島に優しく抱き上げられてから僕は椅子に置かれた。
「………はあ。まさか元の運動能力が神レベルだとは。むしろ制御してよかったよ、このままだと君はハーフどうこうは関係なく監理局に拘束されていたよ」
千島は笑いながら言った。
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