馬鹿、闘う

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一通りの告白が終わり、その内容が五人の間で一致したことに、五人は驚かなかった。 同志だからこそ、勘付いていたのかもしれない。 五人は頭を抱えた。 いうまでもないことだが、少年は、男性なのである。 男子校で、一人の男子生徒に五人の男子生徒が劣情を抱くという複雑な事案が発生した。 五人の気持ちを知れば、少年は傷つくであろうし、気持ち悪さに卒倒してしまうかもしれない。 やっとできた仲間が、みんな自分をソレの対象として見ていたのだと知ったら……? きっと、少年の友情を裏切ることにもなる。 しかしながら、鬱屈とした男子高校生の負のパワー(性欲)に、五人の中の誰も抗うことができなかった。 理性が崩壊する音を聞きながら、五人は肩を寄せて話しあった。 少年を手に入れる悪魔の口実を、方策を。
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