三章 ―豊玉って誰だよ―

2/15
202人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
…ん? ここは… 天国? なんでだ? 俺… 死んだのか…? 「目ぇ覚めた? よかった このまま死んだらどないしようかと思たわ」 生きてるのか? でも死のうかな… 瞼を開けると視界いっぱいに広がる美しい女の顔 うん やっぱ死のう 人生は幸せなうちに終わらせるに限る ・・・・ ゆっくり瞼を下ろす 「おぅ お梅 チビ助は起きたか?」 「芹沢はん! それが さっき目開けたんやけど また閉じてもうたんや」 芹沢…? お梅…? どっかで聞いたことあるような… 「ふん 寝てんじゃねぇのか? おい!! さっさと起きやがれ チビ助!!」 グイッ!! 『グェッ!!』 いきなり首根っこを掴んで引っ張り上げた芹沢に 思わず潰した蛙みたいな声を出しちまった 『てめぇ! 荒っぽいんだよ! もっと優しく… しなくていいです すいません…』 文句の一つでも言おうと思ったが芹沢って… 初めて屯所に来たときに会ったヤクザのボスじゃねぇかぁぁぁああぁぁぁあ!!!!! 「元気そうだな チビ助」 ヒィッ 「チビ助はなんでこんなとこいんだよ ここは壬生狼の住処だぜ?」 「芹沢はん 猫に言葉が分かるわけないやないの あほなことしとらんと、はよ逃がしたりぃな 鈴つけとるんやからどっかの飼い猫やろ」 言葉くらい分かるわい!! 猫なめんなよ!ってか俺なめんなよ! 『俺はここの飼い猫だ! この鈴は沖田・鬼畜・総司につけられたんだ! 分かったら早く下ろせ!!』
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!