一章 ―狼の集団―

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『ここか… 意外とデカいな』 目の前には大きな門 “壬生浪士組”と書かれた板 いかつそうな門番が二人 『とりあえず入るか』 堂々と門をくぐり、中に入ろうとする 「帰れ!ここはお前みたいなのが来ていい場所じゃねぇんだよ!!」 『あ"ぁ? んだと? ハゲが!!』 せっかく俺が視察に来てやったのに 帰れとかいうふざけてる言葉が聞こえ、思わず シャーッ っと威嚇する が、上を見上げると門番は俺のことを見ていない 不思議に思って周りを見渡すと匂いやかな女 「うちは芹沢はんに用があるんどす どいとくれやす!!」 うわー こんなヤクザみたいな奴によくそんな強い口調で言えるなー チキンの俺には絶対無理だな 「芹沢先生はお前なんかにかまってられるほど暇じゃねぇんだ さっさと帰れ!ブス!」 「俺の女にブスとはなぁ 言ってくれるじゃねぇか 小僧」 やっべ!!ヤクザのボスみたいなすげー奴出てきた!! マジこぇー ちびりそー って… ん? 俺の女? もしかして… 別嬪さんはヤクザのボスの彼女!?!? 「誰があんたの女やて? 芹沢はん!」 え?違うのか? 「ふんっ そんな事言ってられんのも今の内だな お前は俺に惚れる 絶対だ」 な、なんちゅう自信家… その自信はどっから来るんだよ… 「そんなわけあらへんやろ 寝言言うとらんと早よお金はろて!!」 「キャンキャン吠えてねぇで とりあえず上がれや」 「えっ… ちょっ… 」 あーあー 強引に連れ去られちゃったよ 俺もどっかから入らなきゃな
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