四章 ―キシなんて嫌だ―

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「へへっ 俺の勝ち♪」 平助はどや顔で俺を撫で回す 「別に勝負なんかしてねぇ!! 俺は… 俺は…「あっ!そうだ新八!島原の乙葉が身請けされるらしいぞ」 「なっ… 乙葉が… 身請け……」 金を出せばどんな男でも相手をしてもらえる、新八にとって唯一の心の安息場である島原 左之の言葉に新八の口から魂が抜け出ていくのが見える その左之によると乙葉とは新八の馴染みの遊女らしい 「し、新ぱっつぁん!! しっかり!!」 平助は目の焦点があっていない新八の肩をつかんでガクガクと揺らす 「…乙葉が…身請け… 乙葉が…身請け……乙葉… 乙葉ーーーーーーーっ!!!!!! カムバーーーーーーーック!!!!!!!!!」 「うるせぇっ!!!!」 かわいそうな新八はちょうどのタイミングで来た土方に拳骨を落とされた 「待たせたな 全員揃ってんな? ちっと 報告することがある んじゃ 近藤さん頼んだぜ」 ニヤリと笑う土方に促されて 近藤が前に出てきた 「みんなよく聞いてくれ! 我々壬生浪士組の日頃の努力が認められ 会津の容保公より 壬生浪士組 に代わる新しい名を承った」 どよめく隊士達を嬉しそうに見ながら近藤は手に持つ半紙を広げた      新選組 「本日より我々は新選組と名を改める もぅ誰にも壬生狼とは呼ばせぬぞ この名に恥じぬよう これからも共に精進して参ろう!!!!」 「「「「「うぉぉーーーーっ!!!!!」」」」」
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