四章 ―キシなんて嫌だ―

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「壬生浪士組」から「新選組」へ名前が変わった 隊士達はみな喜びに胸躍らせている    ・・・ そう 隊士達は… 屯所内に独りで小さい頭を悩ませている者、いや、猫が一匹 俺の名前は“京の壬生浪士組”の飼い猫ってことで“キミ”だ ってことは“京の新選組”の飼い猫なら“キシ”になるのか!? イヤだ… 絶対にイヤだ… キシって… 『だっせぇぇぇええ!!!!!!!!!!!!!! いや、待てよ? 俺はこの屯所で飼われているけど 本来 俺は壬生浪士組という名の新興団体の偵察、そして それが京の民に対して不利益なものであると判断した場合には懲らしめてやる という目的でここにやってきた 飼われている ってのは ここの人間が勝手に言ってることだ ってことは… ってことは… ってことは 俺の意思次第で 俺は野良猫になれるってことじゃねぇのか!!??!!?? よっしゃぁぁああ!!!! 変な名前になる前に ここを出て行ってやるぜ!!!!』 思い立ったが吉日 とは昔からよく言ったもので 俺は思い立った瞬間 屯所を出た
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