捕らわれた心

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歩夢が指を差した。 「えっ?」 固まる幸也 「ひっ、人違いじゃないかなあ〜」 あたしは、慌てて幸也の背中を押してレストラン方向に向ける。 「早く、行こう!」 みんなにも声をかけた。 その時 「叔父様、叔母様!」 なんと、美紀が大きな声で呼び掛けたのだ。 「あら、美紀ちゃん!」 振り向く両親。 両親は、あたしの顔を見ても動じる事なく、こちらに近づいてくる。 やがて、目の前に立つと 「美紀ちゃん、めるの彼氏ってどなた?」 と尋ねた。 「はっ?」 何言ってるの? あんぐりと口を開けるあたし。 その時 「あの、初めまして、原田幸也と言います」 突然、幸也があたしの前に立ち塞がった。 「まあ〜、貴方が、美紀ちゃんの言ってた幸也君なのね」 母が歓喜の声をあげる。父が、幸也の爪先から顔迄をマジマジと眺めた。 「うむ、君は、わたしの若い頃にそっくりじゃないか。どうりで、めるが好きになるはずだ」 「でしょう叔父様。二人共 今回は協力して頂いて、有り難うございました」 美紀が笑顔で言う。
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