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「乾杯ッ」
ビールジョッキが心地好い音をたてる。
「………ップハー、美味しい。最初の一口って最高」
「マジ親父だな、お前」
そんな祐介の言葉を軽く無視して二口目へと飲み進める。
「今日で大学生活も終わりかぁ。
でも就職決まって本当よかったよね。しかも咲と祐介が同じ会社なんて、何か笑える」
隣で枝豆を食べながら既に一杯目のビールが空になっている園子が言った。
「本当勘弁、ここまで一緒だと腐れ縁だよ」
「はぁ、それはこっちの台詞。社会人になってまで俺に迷惑かけんなよ」
「私がいつ祐介に迷惑かけたの?」
「小学生の頃から」
「はいはい、仲が良いのは分かったからその辺にしといたら?」
もう、祐介の奴。
何かしら私に突っ掛かってくる。
まぁ、めでたい席だから今回は目をつぶってやろう。
私、小澤 咲。
本日、大学を卒業しました。
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