ガレオン

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「いっけぇええええええっ!!」 全世界の意思を乗せ、血にまみれた鋼鉄の兵器はダガーを振り下ろす。 その刃は血色のない皮膚に深々と突き刺さり、隙間からは真っ赤な血が噴水のように噴き出した。 「キョアァアアァアアア!!」 奇声。超音波。 耳をつんざくような絶叫を上げ、15mもの巨体は音を立てて崩れ落ちる。 この世のものとは思えない醜悪な姿をした敵。 これまで、幾万もの犠牲を払った……敵。 人類を絶望の淵に叩き込んだ敵は今日、初めて敗北を知ったことだろう。 戦車、戦闘機、あらゆる兵器をもってしても倒せなかった敵は、倒せる相手だったのだ。 人類の手にした希望。 それは、鋼鉄の装甲を身に纏った……所謂ロボット。 戦車を凌駕する装甲を持ち、戦闘機を越える機動性を兼ね備え、駆逐艦並の火力を誇る、機動兵器。 その名は、"ガレオン"といった。
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