人類終焉の日

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『……それでは皆さん!今日も元気に、いってらっしゃーい!』 朝の天気予報。その終わりはいつもお決まりの言葉。 コーヒーを飲みながら、城戸慎二はぼーっとTVを眺めていた。 時計は7時50分を指しており、そろそろ学校に行かなければ遅刻する。そんな時間帯だった。 慎二はTVから視線を向かい側に座る妹、結菜へと移す。 妹は朝食のパンを急いで頬張りながら、申し訳なさそうに此方をチラチラと確認してきた。 「焦らなくていいぞ。胸焼け起こしたら堪らないだろ?」 慎二は妹のコップに牛乳を継ぎ足し、再びTVに視線を移す。 占いコーナー……今日は10位か。まぁ別にいいけど。 それから5分後、妹の大きな息継ぎが聞こえ慎二は向き直った。 「食べたか?じゃあ牛乳飲んだら行くぞ」 「ごめんね、おにぃ。もう少し早く起きれればいいんだけど……」 「じゃあ……明日からはお前の部屋の天井に目覚まし時計を貼り付けておくか」 「あー、絶対壊すね。それ」 牛乳を飲み終えた結菜はティッシュで口の周りを拭き取ると、それをくしゃくしゃに丸めて構える。
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