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敵は逃げても逃げても、俺達の正面または背後から現れる。そろそろ、ネタでも明かしてやるか?
「な、何故だ!?何故逃げられない!?」
「決まってるじゃないか~…僕が『宣告』と同時にこの空間から逃げられないようにしたんだよ…あぁ、空間転移も無駄だよ?同じ事だからね」
「そういうわけだ…では…」
「「…この世の悪に『懲罰』と『断罪』を」」
「あぁ、俺だ…今、仕事が終わった…すぐに戻る…それと隣人にクリーニングを頼んでくれ…馬鹿の自慢の白コートをまた汚しちまったからな…あぁ、じゃあな」
俺は電話を切った。電話の相手はまた後で話すが、こんな血生臭い場所はさっさと立ち去ろう。気分が悪くなる。そんな血生臭い死体に白のヒヤシンスの花束が朝霧によって添えられた。
「また恒例の白のヒヤシンスか?」
「別にいいだろう?…それにヒヤシンスの花言葉をしってるだろ?」
「…悲哀…だろ?…そんな下らない奴らに同情することねぇよ」
「それでも僕は人だからね…この中の誰かは人を殺めたくなかったひともいるんじゃないかな?…昔の僕らみたいに」
「どうでもいいさ…それより、ここを立ち去ろう…ドンパチ騒ぎで『神砕き』の連中が動きだしたみたいだ」
「仕方ないね…『空間転移ーテレポート』」
朝霧は魔術を詠唱すると足元に幾何学的な魔法陣が浮かびあがった。次の瞬間にはそこにはおびただしい数の死体とヒヤシンスの花束しかなかった。
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