第一部『入学式!』

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学校の校門にたどり着くと風が舞い桜吹雪が散った。 その愛おしい風景に俺の心がやっと春が来たことを理解させた。 「おーい、ヒロシ!」 「よう、サトシ」 後ろからの呼び声に俺は手を挙げて答える。 「やっと入学式だな」 「ああ、新たな門出だ」 「……早かったな」 俺達二人は我が校舎を見る。 それはとても神々しく輝いているように見えた。 そして俺達にはその場に立ち入ることに恐れを感じた。 「手が震えてるぜ。緊張してんのか?」 サトシに言われて初めて自分の手が震えているのを知った。 俺はそれを押さえてサトシの足に目をやる。 「サトシの足もガクブル状態じゃん」 「何言いやがる。こりゃ武者震いって奴だそれにもう……」 サトシが次に何を言うか俺には予想ができた。 「ああ、わかっている」 「「覚悟は出来ている」」 俺達の声は重なり合い一つの言葉となった。 そして俺達は堂々と歩みを進めはじめた。
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