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校内に入るとすぐに入学式が行われた。
俺は刻々と迫る時間と共に焦りと不安が押し寄せて来ていた。
そのことから俺の耳には校長の挨拶などは全く入ってこなかった。
本当は聞きたくなかったのかもしれない。俺はこの時をまだ訪れたくないのかもしれない。
しかし、そんなことなどは不可能であり、時は自然の掟に従い一寸の狂いもなく進んだ。
同時に行われた新任式も同様に俺には聞こえず、ただ時計の針の音と自分の心臓の音が俺の耳を支配していた。
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