第一部『入学式!』

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覚悟を決め席に着いた俺達はいつも以上に輝いているように気がした。 今ならどんな試練でも乗り越えられそうだ。 今の俺にはさっきまであった不安は消えていた。 それもすぐ隣にいる相棒のおかげだ。 チラリとすぐ隣にいる相棒を見る。 彼はその視線に気づくと親指を立てグッドポーズで答えた。 俺も返事としてグッドポーズを返す。 「オラ、お前ら席に着け!」 突如として先生らしき人の声が聞こえた。 その声を聞いた途端、俺メンタルポイントは一気に削られた。 まさか、この声は……。まさか、嘘だ。嘘だと誰か言ってくれ! ふと隣の相棒にもう一度目をやる。 それはとても悲惨なものだった。 手足は震え、体から大量の汗。机には水溜まりが出来ていた。もう虫の息だ。 相棒は終わりだ。しかし相棒も同じ声を聞いてああなったというのならあの声は嘘じゃなかったということだ。 このままじゃ全滅だ。 くそ、一人じゃ耐えられない。世界中のみんな!オラに元気をいや、勇気を分けてくれ! さっきに声で沈黙に包まれた教室に一つの足音が聞こえ始める。 俺を現実を見たくないのか、顔が全く上がらない。 息の吸うを音の後に足音の主が声を上げた。 「てめぇら、よく耳かっぽじって聞けよ。俺がこのクラスの担任をすることになった鬼山だ」 ……叫んでいいですか?
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