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正直春なんて迎えたくもなかった。
そして最後の最後までクラス発表で見た担任の名前など信じたくなかった。いや、もう信じてなどいなかったと言っていい。
今では教室に入ったときの勢いなどはミジンコもなく、ただ鬼山先生との楽しい再教育授業という名の修羅場にいた。
生徒はもちろん、俺達――この物語の主人公①のヒロシと主人公②のサトシだ。
主人公二人揃って何やってんだよ、と言いたいが現実は大体こんなものさ。
春休みの宿題はもちろんのことやってなどない。それにより課題の追加。さらに逃げようとしたペナルティーとして俺達には修羅場が追加された。
宿題なんて忘れるのが当たり前ですよね。みんなもそうでしょ?
長期間のお休みはいっぱい遊んで最終日辺りに課題を全力でやってさらに学校で『家に忘れたから明日持ってきます』作戦を使い、宿題という任務を完遂させる。それが普通だ。
しかし、鬼山にはそんな作戦は通用しない。ましてそんなことをすれば間違いなく彼による特別授業が待っている。
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