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平成学園・生徒会書記の
薮宏太はため息をついた
だけど、それはすぐさま
大きな声にかきけされた
「あー!!
宏太ってばため息ついたら
幸せ逃げるんだぜ?」
誰のせいだ、誰の。
机をばんっ、と叩かれて
思わず呆れて首を横に振った
そういいたくもなるのは
宏太が大好きな昼寝を
我慢しなければならないのも
ため息がでるほど疲れるのも
目の前の彼、
山田涼介が理由だからだ。
ほんとにめんどくさい
「あはは、ごめんね、涼介。」
ふにゃ、と笑ってみせると
どうやら満足したようで
会長たちの元へ戻って行った
涼介を取り囲むようにして
なにやら楽しげに
騒いでいる生徒会の連中を見て
宏太は椅子の背もたれに
勢いよくもたれ掛かる
思えば、始まりは
今年の入学式だったか。
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