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「 キスして。 」
言い出したのはまゆみだった。
「 ねえ。 」
とろんとした雰囲気を出して誘ってくる女を、断れる男は何人居るだろうと祐介は思った。
ましてや、好きな女であればなおさらだ。
＊＊＊
「じゃあ、また明日ね。」
今までに祐介とまゆみは何度このやり取りを繰り返しただろうか。
ふと祐介は思う。まゆみはどう思っているのだろうか、罪悪感はないのだろうか？
いやまゆみの考えてる事くらい判る。問題は俺自身だ。
自分が素直になればいいだけの話だと、彼はいつだって後悔していた。
そしていつもまゆみのいないベッドで、唯一の親友の顔を思い浮かべていた。
「…ごめんな。」
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