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ふと、祐介のそばでケータイが光る。
私といる間はマナーモードにしないといけないと、まゆみに散々言われていたのを祐介は思い出しながらケータイを見た。
表示されている名前はケンジ。無視しようか迷ったがやっぱりとることにした。
「もしもし。」
「ケンジだけど、今大丈夫?」
ケンジの声の後ろからは、沢山の話し声が聞こえ、続けて聞こえる機械の音に、今ケンジは駅にいるのだなと祐介は察知した。
「うん、どうした?」
「オレ、まゆみと別れようと思う」
一瞬ドキッとしたが、あわてて何もないフリをする。祐介は電話であることにこっそり感謝した。
「なんでまた、ケンカでもしたのか?」
「あいつ…――浮気してたんだ。」
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