†失ったもの†

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今朝、学校へ行くとなのかと同じクラスにいる彼氏、斉藤 亮 (サイトウ リョウ) が学校を休んでたのだ。 「風邪を引いたらしいよ」と、亮くんの親友の瞬(シュン)くんから聞いた。 なのかの親友の、小林 智巳 (コバヤシ トモミ)も、今日は体調が良くないから休むとメールがあって。 お昼頃には亮くんからも『風邪引いたっぽいから、学校休むわ。また明日メールするな。』と、なのかにメールが来た。 亮くんのお母さんは看護婦さんで、夜勤もあるし、帰りが遅くなる事が多い。 「風邪、酷いのかな…帰りにおうちに寄ってみよう。」 きっとおうちで一人だから、薬も買いに行けないし、ご飯だって自分で作って食べられないだろうし。 親友の智ちゃんの事も気掛かりだったけど、『うちで薬飲んで寝てるから大丈夫。』と、メールで言ってたし、智ちゃんのおうちにはお母さんがいるはずだから、とりあえず安心かなと思い、また夜にでも連絡しようと思った。 だけど…… 『二人一緒に』休んだ事に、ほんの一瞬違和感が頭を霞めた。 私、何を考えたんだろう。 「…ただの、偶然だよね。」 軽く頭を振って、その考えを打ち消した。 今思うと、自分自身に言い聞かせてたのかも知れない。 前からその『違和感』に、薄々気付いていたのに…。
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