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「何とか成功したかの。」
心底ホッとした、とでも言いたげに呟いたおじいさんは、俺を見て現状の説明をしてくれた。
「先ず、Monster or aliveという物は実際に存在するんじゃ。お主の星、地球とは次元の違う世界の住人達が創りだした、ゲームとは名ばかりの地獄じゃな。ワシはお主にそのゲームを止めて貰う為に管理者に割って入ったのじゃ。」
つまりmonster or aliveは実在していて、それは異世界の人間が創ったもの。
そしてこの白スーツのおじいさんは、俺にmonster or aliveを止めさせる為にあの真っ暗な場所から呼び出したと。
本当に実在するなら、親友もそこに居る筈だ。……生きていれば。先ずは色々質問するとしよう。
「質問です。貴方は誰ですか?」
「今は言えんのぅ。じゃがお主の味方である事は確かじゃな。」
俺の味方、か。だがmonster or aliveの運営側の敵とは言わない。いわば中立の存在か。
「具体的にどうすれば?」
「ワシがお主に不正改竄システム《チート》を授ける。これはある程度お主の望みが叶うシステムでの、運営側も手出し出来ぬ。」
ゲームで嫌われる、いわゆるチート。アイテムの個数を∞にしたり、ステータスを弄ったりする不正システム。
最近は対策プログラムが導入されていて、素人がチートを入れるとゲームが起動しなくなったりする。
かくいう俺もチートは嫌いだが、ゲームバランスを崩さない程度のものやお遊びにしかならないものなら妥協する派だ。
「お主はゲーム開始後、派手に暴れてくれれば良い。後は運営側の刺客が来るじゃろうて。では、気をつけての。」
俺は目映い光に包まれ、思わず目を瞑った。
そして目を開けると、そこは先程の真っ暗な場所だった。
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