序章 夢の中の声

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広く白い部屋。 そんな中にただ一つだけある黒いベッドの上。そこに、1人の少女がいた。 淡い黄色にフリルが所々についたワンピース。 その淡い黄色が儚く、消えていきそうな・・・幻想的な服を纏う少女が、ただ1人で座っていた。 それを見ている僕は何度も、何度も声をかけるけれど、近寄ろうとするけれど、気付かず、 近寄れば遠く離れてしまう・・・そんな『夢』。そして、途中から聞こえてくる声。 -僕等は、また会えるよ- -私、ずっとこの部屋で・・・約束したここで、待ってるから。- -待ってて。必ず、迎えに行くよ- 聞き覚えのある、声。 憶えのある、会話・・・。 でも、僕はまだ、約束を、忘れていたんだ。
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