第1章 無関心な毎日

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ボーッと、空を見上げることなく、俯いて帰る。 考えていることは、無い。 「ねぇねぇ、おかーさん」 「うん?どうしたの?」 声がしてふと視線を上げると、傍を親子が通る。 「空ってどのくらい広いのー?あそこにお父さんがいるんでしょー?」 子供が空に指をさし、母親に聞く。 「うーん、どれくらいかしらねぇ・・・。」 曖昧な、答え。 ・・・あぁ、俺も、こうだった。 「・・・でも、」 母親が、言葉を続ける。 「でも?」 「きっと、私たちをどこでも見えるくらい、大きいはずよ。」 「・・・っ」 「そっかぁー。お父さんだもんねーっ!」 納得する子供を気にもせず、心に、何かがつまる。
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