第1章、依頼人
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どこまでも先が見えない暗い世界。 そこを一点に向かって彼女は歩いていた。 小さく弱まってしまった光の中心に、男の子が膝を抱えてうずくまっている。 しゃがんで顔を覗き込むように目線を合わせると、男の子の肩が小さく震えた。 「……誰…?」 「私は……梨乃。…あなたの名前を教えて……?」 彼女の柔らかい声に少し安心したように、男の子はノロノロと首を上げた。 「僕は……賢斗(けんと)…」
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