episode5【告白・酷薄】

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「終わりだよ!」  背後に迫る楓を認識した時には、横凪に蹴りが放たれていた。  逃げ場は、無い。  人間の身体能力を遥かに超えた打撃は、たとえ魔法で防御しても、その壁でさえ打ち抜く。  そんな必殺ともいえる一撃が沙希を直撃する間際、 「Assimilation(同化)」    沙希が、唱えていた。  刹那、回し蹴りが炸裂する。  直後。 「!?」  水が弾けた。  振り抜いた楓の右足が彼女を切り裂きいた──のだが、何故か感触を感じない。  見れば、彼女の身体が崩れていた。  全身が水のように液体状に変化していて、楓はその『沙希の姿を模した水の分身』に攻撃していたらしい。  完全に、不意を突かれる。 「......っ」  素早く軸足に力を込め、出来うる限りの速度でその場から退避。  元の場所には“沙希であっただろう水溜まり”が残るだけ。  数メートルの距離を瞬時に確保した楓がほっと息をつくのを節目に、 『────!?』  そんな光景を目の当たりにした、五人の内、斗真を除く全員が表情を一変させていた。    
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