episode5【告白・酷薄】

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   まさに、青天の霹靂。  なんの取り留めもない、水属性の分身である筈なのに、だ。 「有り得ないです!」  開口一番、最初に叫んだのは意外にもアリアス。  後ろで結った金髪を大きく左右に揺らし、首を振って否定していた。  その碧眼に映る光景は──困惑と疑惑。  全員が驚愕している理由を、彼女ははっきりと口に出す。 「どうして......っ、如月 沙希とは以前も一戦を交えましたが、その時は────!」    大きく、溜めて。   「────水属性なんか使ってなかった!」  それは魔法の法則を覆す事態。  五大属性を宿す人の身の大原則──人体に有する属性は『一つ』のみ。  誰もが同時に一般常識を再確認していた最中、 『──戦闘中に余所見とは余裕ね』  声が、響いた。  頭に直接伝わるような、奇妙な感覚。  ハッと、全員が表情を変える。  視線の先──水溜まりに向けて。 『あーあ、最後まで隠し通すつもりだったのに......少し油断しちゃったわね』  けど、と続け。 『ま、お披露目って事で納得しましょうか』  ズブリと、水面から腕が生えた。  いや、“水が腕の形になった”と表現した方が適切だろうか。  次第にそれは固定し、肌色に染まって完全な右腕となる。 『あははっ』  そこからは瞬く間だった。  這い上がるようにして水面から腕が伸び、身体全体が色付きながら形成されていく。  時間にして、約十秒弱。 「さあ、始めましょうか」  怖気が起こるほど凍える瞳を称えた沙希が、慎を除く全員を見据えていた。    
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