episode5【告白・酷薄】

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 ガゴッ、と。  アリアスのすぐ側面にそれは突き刺さり、床にめり込む。 「うっ......」  突然、頬に飛び散る液体状の何か。  反射的に目を閉じてしまうが、即座に違和感を肌で感じていた。  指でそれを拭い、確認すると、 「また......水?」  何度、この状況を目の当たりにしたのだろうか。異変を察知する度(たび)、水が関係している。 「そんなに心配しないで。私は大丈夫だから」 「沙希......!」  そして、何事もなく立ち上がる彼女がいて、 「なんなら確認してみる?ほら、触ってみてよ......私のお腹」  慎の手を誘導して、臍の辺りを指でなぞらせる。 「ん......っ」  ビクッと、頬を染めて艶めかしい声を漏らす。  慎も、目を剥いていた。 「傷が......無い」  確かに、槍は彼女の腹部を貫いていた。この目で確認もした。  なのに、だ。 「沙希、一体これは────」  何の能力だ、と。  疑わずにはいられない。さっき、彼女は『蛟』(みずち)と言った。  御蛟とも、同時に。  十二人の【御】の名を刻む一族の序列二位──。 「同化能力──御蛟 沙希が有する希少魔法よ。物理攻撃無効化、物質変異、属性同化......」    そして、と。彼女は続け、 「炎と水と同化──私に弱点は無い」  同時に唱える。  全員を襲う、彼女の魔法が。 「【water・spell】」  次の瞬間には、彼女の頭上に大量の水弾が展開していた。  
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