episode5【告白・酷薄】

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anotherview──Urushi・Midou 「っ!?」  気づいた時には、既に魔法を放っていた。  目の前がドス黒く染まり、銀髪碧眼のみが瞳に映る。  標的だけ、狙ったつもりだった。  なのに、 「慎くん!」  関係のない弟まで殺意の牙を向けてしまったから。  取り返しのつかない過ち。  全力に近い威力で放った魔法は、相手に多大なダメージを与える。 「シン......くん」  破壊された床や壁の残骸や、土煙が視界を覆う中、楓は光景の一部始終を見て呆然としていた。  力無く床に崩れ落ち、瞳だけが煙の先を見つめていた。 「......冗談で済ませられるレベルじゃありませんわね」    と、アリアス。  宿敵の負傷に嘆いているのか、それとも別の感情が揺れているのか。  彼女もまた、立ち尽くす。 「────」  だが、 『!?』  笑い声が、響いた。  慎の声ではない、もっと違う“狂気”に満ちた“何か”  視界を遮る硝煙が晴れ、そこに立つ一人の人物。  それは、 「ははっ、あはははは!やっと、やっと慎と一つになれたわ!」  ただ一人、狂ったように笑い声を発する銀髪碧眼の少女。  如月 沙希改め、御蛟 沙希がそこにはいた。  周りに慎の姿は無く、彼女だけ。  その身は無傷で、目立った負傷痕も疲弊も感じられない。 「やはり、御蛟の【同化】能力ね......まさか、この場所でそれを体験するとは思わなかったけれど」  鈴が、ようやく口を開く。  開口一番ともいえる言葉の最初は、彼女の魔法についての正体。  不可解な現象の全てを解決する一言だった。
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