episode5【告白・酷薄】

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「一つ......確認していいかしら?」  ふと、口数の少なかった鈴が沙希に尋ねていた。  機会を見計らったのだろう、今の今まで介入しなかったのはこのためらしい。 「どうぞ“御神楽”先輩」  敢えて“神楽”とは呼ばず、本来の名字で呼ぶ。  彼女の情報もまた、隅々まで知られているようだ。 「結局の所、アナタは『一つになった』と言ったけれど、実際に弟くんはどういった状態なの?」 「露骨に直球を突くわね......ま、いつ聞かれるか待ち遠しかったけどね」  一息、間を置き。 「文字通り、融解した慎を私の身体に吸収したのよ。別に死んでないし、会おうと思えば分離して対面も可能──」 「なら──」  楓がホッと胸をなで下ろし、漆も後ろで少しだけ表情を緩める。  しかし、 「分離するつもりは毛頭無いし、慎は今、私の中で眠ってる。起こさないで欲しいわね」  彼女はあっさりそれを拒否。  同時に、斗真を除く女性陣が再度殺気を飛ばす。 「おぉ、恐い恐い。いくら凄んでもそれだけはイヤよ。だって慎はこれからずっと私が守ってあげるもの──あらゆる障害から、ね」  彼女が、構えた。 『────っ』  今度はアリアスと鈴も混じって、四人で沙希に敵意を剥き出しにする。  いつ、動いても不思議ではない状況で、 「──面白い物を見せましょう」    沙希が、呟いた。  それは突然の提案。殺気が飛び交う中で彼女がじっと沈黙していた。  瞳を閉じ、瞑想。 「──」  そして、 「【trance formation】(変身)」  身体全体を水が覆った。  
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