episode5【告白・酷薄】

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 形が変わり、女性特有の丸みを帯びた体格から、がっしりとした輪郭に水が整えられていく。  沙希自身、既に体は水に溶けていて、どんな形をも模すことが出来る状態だ。  徐々に、水が色彩を帯びていき、僅か数秒の時間が経過した時。 「はー、意外と上手くいったわね。この変身魔法は」  口調こそ沙希自身だが、その姿形は全くの別物だった。  何故なら、そこに立っていたのは紛れもなく、 「そんな......なんで、なんで──」  漆が驚愕を露わにする。  目の前に立ち塞がる敵の姿が、信じられないことに、 「慎くん!」 「や、姉さん。心配かけたね」  黒髪で黒い瞳の男──御堂 慎がそこにはいたからだ。
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