episode5【告白・酷薄】

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「御崎 楓!アナタ......どうしてっ!?」  漆が慌てて抱きかかえる。 「ごめん、ね......。なんか、勝手に体が動いてたの......」  苦痛に顔を歪めながらも、彼女は空元気で笑う。  それに、と楓が口を漆の耳元に近づけ、囁く。 「──私はこの程度じゃ死なない」  確信を以て、彼女は唱えた。 「【healing・spel】(治癒魔法)」  直後。  蒼白い光が、パックリと開いた背中の傷を舐め取っていく。  それは傷口を撫でていき、断面を綺麗に閉じた。 「でも、失った血は戻らないんだよね......所詮は回復だから」  多少、顔が青白くなってはいるが、彼女はなんとか立ち上がる。  恐らくは、血を流した影響で貧血気味に陥っているのだろう。  が、同時に。 「御堂 慎!」  彼女の一番の親友であるアリアスが激怒していた。  その右手には既に新しい武器。  日本に伝わる、呪われし名刀。 「【村正】」  黒い鞘に刀身を収めた妖刀が、指輪から黒い靄(もや)と共に現れていた。  同時に、禍々しい闇を纏いながら。  
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