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「余興としては最高じゃないかしら?」
口元を歪め、慎はアリアスと楓に視線を移し、最後に漆を見据える。
ふと、右手で顔を隠す。
正確には両目を、だが。
『────』
彼が手を顔から外すと、その瞳は先程と違い、
「──さあ、第二ラウンドを始めましょうか」
紅と蒼の瞳──オッドアイ。
炎と水を司る御蛟の一族の本領が、今の瞬間を以て発揮される。
全員の殺戮を目的として。
彼女の中に眠る彼の鼓動は、まだ動き出すことは無かった。
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